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#15 相手を見る技術
スイング軌道を見る練習を重ねていると、相手の返球コースが少しずつ予測できるようになってきました。
前衛でだんだん球に触れるようになってきます。
できるだけ球を上げないように返し攻撃を続けられるようにすると、後衛の人がスマッシュやカットで決めてくれる場面が増えて来ました。
経験者ペア相手にも、だんだん長いラリーが出来るようになってきます。
しかし、ここであることに気づきます。
得点パターンは、ペアの人が後衛から打ったショットが良かったおかげで、そのまま決まるか、甘く返って来たチャンス球を私が打ち込んで決まるか、ほとんどこの2つしかありません。
ほとんどの場合、私がネット際へ返球しても、プッシュを打っても、相手は奥まで高い返球をして体勢を立て直してしまうため、後衛の人がよいショットを打つまで得点チャンスがきません。
つまり自分のショットで決定機を作り出すことができないのです。
そこでまた、上手い人の前衛でのプレイを研究します。
私が特に注目したのは、相手が低い返球をしてきた時の対応です。
私と同じように、ネット際へ返したり、プッシュを打ったりしていますが、明らかに相手は苦しい体勢で取らされています。
私と決定的に違うのは、相手がネット際では低い打点でしか取れず、プッシュには差し込まれていることです。
そういうプレイを何度も見ていると、だんだん理由がわかってきました。
コツは2つありそうです。
ひとつは速いタッチで触っていること、もうひとつは相手の逆をついていることです。
タッチを速くすることで、相手の準備する時間を奪っています。
逆をつくことで、相手の打点を悪くしています。
どちらも、相手に悪い体勢で取らせることを意識しているようなのです。
相手のレシーブ位置が深い時は速いタッチでネット際へ返し、体勢を崩させて甘い返球をさせています。
プッシュを打つ時は、相手がラケットをバック側に置いて構えているならフォア側に、低めに置いて構えているなら高めに打って、対応を遅らせ甘い返球をさせています。
これが、上手い人がまるで相手の心の中が見えているかのように、逆をつくことのできる秘密だったのか!
これは配球を強く意識するようになったからこそ気づけたことです。
配球の奥深さを知ったと同時に、配球で勝負する重要性を再認識した瞬間でもありました。
それからは、相手のスイング軌道だけでなく、ポジションや待ち方を見ることも意識して練習するようになります。
数か月練習を重ねると、何となくですが相手のポジションや待ち方がわかり始め、時々前衛で決定機を演出できるようになってきました。
効率的に相手の嫌がる配球をするには、相手を見てそのための情報を集めなければなりません。
相手が打つ前に2人のポジションを確認し、効きそうなショットをイメージします。
速い球が来たらどう返す、遅い球ならどう返すというところまでイメージできると、タッチも速くできます。
特に、遅く来た返球をプッシュするような場面では、相手の体勢や待ち方を見て逆をつくコースへ打つ練習をしましょう。
シャトルと相手が同時に見られる高さに目線を置くと、ぼんやりと相手も見ることができます。
ここまでできるようになると、攻撃している時間も決定力も各段に上がります。
相手を見る技術は極めて重要なのですが、経験者の方たちも意外とできていません。
だからこそ、この技術は打倒経験者の大きな武器になり得ます。
今回はここまで。
次回は、"結果にこだわる"です。
#16 結果にこだわる
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