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#14 前衛の見るべきもの
ダブルスではトップアンドバックで攻撃している状況を増やし、前衛が多くシャトルに触ることができれば、かなり有利な試合運びができます。
最初は、こういう場面を増やせるかどうかは後衛の攻撃力で決まると思っていたのですが、配球を意識するようになってから、実は前衛の攻撃継続能力の方が重要だとわかってきました。
前衛に、攻撃を継続できるポジション取りをする能力と沈む球を配球する能力がないと、簡単に攻守逆転されてしまうのです。
しかし、的確なポジション取りは簡単ではありません。
ペアの人が後衛からどんなショットを打つのかもわかならければ、相手がどんな返球をして来るのかもわかりません。
だからといって、相手が打ってからポジション取りしようとしても間に合いません。
上手い人の前衛での動きを見ると、まるでどんな返球が来るかわかっているかのように動いて、ちゃんと球を捕まえます。
返球コースを予測して動いているのは明らかでした。
予測するためには、何らかの情報が必要です。
そしてその情報は相手が出しているはずです。
さらに研究を重ねると、それが何なのかだんだんわかってきます。
上手い人たちは、相手レシーバーの体勢やラケットの軌道を見ている!
スマッシュへの反応が遅れれば、差し込まれて悪い体勢でのレシーブを余儀なくされます。
すると、ネット際へ逃げて来たり、ストレートへの返球が多くなるので、そこを張りやすくなります。
例えレシーバーの体勢が良くても、ラケットの軌道を見ていると返球コースは予測できます。
ラケットの面だけ変えるような技術でも使わない限り、スイングした方向にシャトルは返って来るからです。
さっそく練習で試してみますが、シャトルを見ながら相手のスイングを見ることができません。
相手を見ようとすると、シャトルを見ることができない・・
ひょっとして上手い人はシャトルを見ていない??
ここで極めて重要なことに気づきます。
相手がラケットを出したところへ必ずシャトルは来る。
だから、シャトルを見なくても、相手の動きさえ見ていれば、ペアの人がどこへどういう球を打ったかわかるんだ!
前衛になった時は、シャトルを目で追いかけるのをやめて、相手だけを見るようにしてみます。
相手のスイング軌道がはっきりわかります。
そして、確かに、返球コースもある程度予測できるのです。
バドミントン歴の浅い方ほど、必死にシャトルを見ようとします。
しかし、シャトルから得られるのは、どこにどれくらいで着地するか、打ったあとの結果だけです。
そもそも自分が打つと決まっていない段階では、シャトルから目を切っても、何の問題も起きません。
一方、相手を見ると、次にどんな返球をしてくるか、その情報を打つ前に得ることができます。
だから、自分が打つ時以外は、シャトルを見ず相手を見るようにすべきなのです。
ゲームを有利に進められるかどうかは、前衛の能力で決まると言っても過言ではありません。
自分が前衛になった時は、相手が打つまでいっさい目でシャトルを追いかけず、相手を見ることに集中しましょう。
相手からの返球予測を意識していなかった方は、これができるようになると、一気にご自身のレベルが上がるのを実感できるはずです。
今回はここまで。
次回は、"相手を見る技術"です。
#15 相手を見る技術
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