- ホーム
- <バドミントン初心者必見!>基礎知識、始め方、上達のコツなど徹底解説
バドミントンのルール、魅力、マナー、道具の知識から、バドミントンの始め方や基礎技術の解説まで、最初に知っておくべき基礎知識を、このページにすべて詰め込みました。
知らないと損する、大変有益な情報が満載です。
バドミントンに興味のある方、これから始めようと思っている方、初めて間もない初心者の方、このページが必ずお役に立てるはずです!
※本ページの文字数は2万字程度あり、他ページへのリンクも多数あります。お時間のない方は、数回に分けて章単位でお読みになることをおすすめします。ぜひ、このページをブックマークしてご利用下さい。
ほとんどの方が一度はしたことのあるバドミントン。
公園でするレジャーバドミントンも楽しいですが、もっとバドミントンを楽しみたい方には、ぜひ体育館へ行って競技バドミントンをしてほしいです。
でも、競技バドミントンって、始めるにはハードルが高いと思っていませんか?
実はそんなことはないんです。ただ知らないから不安なだけ。
基本の知識さえ押さえてしまえば、不安も軽減し、楽しいバドミントンライフが開けます。
バドミントンをするといいことづくめで、ほとんどデメリットはありません。
素敵な仲間が増え、とっても健康的で、自信もつき、何より楽しい趣味があなたのものになるんです。
考えるだけでワクワクしませんか?
このページでは、競技バドミントンに興味を持たれた方の疑問や不安を解消し、これから始まるバドミントンライフを楽しいものにしていただけるよう、初心者向けの基礎知識をまとめました。
このページを読んでいただくと、
・バドミントンが極めて魅力的な競技だと気づきます。
・バドミントンに関する様々な疑問が解消されます。
・バドミントンを始めたり、続けていく上での不安が軽減されます。
・早くバドミントンをしたくなります。
これから本格的にバドミントンを始めたい方、競技バドミントンをもっと知りたい方、バドミントンを始めたものの何をしていけばよいか不安な方、そんな方々のお役に立てれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合い下さい。
目次
1.バドミントンを始めることにデメリットはないの?
2.バドミントンを始める前に知っておきたい4つのこと
3.他に類を見ない競技特性が様々な魅力を生み出す
4.まずはこれだけ覚えよう!バドミントンの競技ルール
5.これで安心!最初に揃えるべき道具一式
6.自分に合ったラケットの選び方・買い方
7.絶対に知っておくべきバドミントンのマナー
8.早く上達するために必要なこと
9.競技バドミントンの始め方(デビューまでの流れ)
10.最初が肝心!バドミントンの基礎技術
1.バドミントンを始めることにデメリットはないの?
後述しますが、バドミントンには様々なメリットがあります。
基本的にいいことづくめなのですが、強いてデメリットを挙げるとすると、怪我のリスクと必要コストくらいでしょう。
どのスポーツでも同じですが、怪我のリスクを完全にゼロにすることはできません。
特にバドミントンで発生しやすいのは、肩・肘・膝の関節やアキレス腱を痛める怪我です。
しかし、正しい打ち方・動き方を身に付け、練習前のウォーミングアップやストレッチを怠らなければ、リスクを十分に低く抑えることが可能です。
技術が伴わない状態で頑張りすぎると、体の様々な部分に大きな負荷がかかり、怪我をする可能性が高まります。
初めのうちは、一気に上達しようとは考えず、正しい打ち方や動き方など、基本をマスターすることに専念しましょう。
勝ち負けには拘らず、趣味としてゆるく楽しく続けていきたいだけという方であれば、怪我に対して過剰に心配する必要はありません。
コストについては、道具にかかるコストと、1回1回の練習にかかるコストがあります。
ラケット代、シューズ代、ウェア代、ガット代などの道具コストは、数か月〜数年ごとの買い替え時に発生します。年平均で数万円かかるでしょう。
体育館利用料、シャトル代などの練習コストは、練習ごとに発生し、1回あたり数百円〜千円程度かかります。
地域の社会人クラブ(サークル)の練習に週に2回のペースで参加する場合、道具コストと練習コストを合わせて、年間で十万円前後かかります。
学校や会社の部活で、活動費の一部を負担してもらえる場合は、その分コストが下がります。
バドミントンをすると、心身の健康を維持できたり、人脈が広がったり、人格形成にも好影響があったりと、たくさんの恩恵に預かることができます。
健康維持を怠って体を壊したら、治療費や薬代として、もっと大きなお金が必要になるかもしれません。
仕事では決して出会えないような人とのつながりや、人間としての成長が、あなたを一段上の生活水準へと導いてくれるかもしれません。
つまり、バドミントンにかかる費用は、人生を豊かにするための投資コストであり、本当はデメリットと捉えるべきものではないのです。
目次へ戻る
2.バドミントンを始める前に知っておきたい4つのこと
レジャーバドミントンと競技バドミントンでは、コートやネット、ルールの有り無しの点でも違えば、使う道具も違います。
競技としてバドミントンをするには、家族や友人とは違う、世代も価値観も異なる方々と共に活動することになるので、マナーも覚える必要があります。
楽しくバドミントンを続けていくために、競技特性、ルール、道具、マナーの4つを最初に押さえておきましょう。
それでは、一つずつ見ていきます。
目次へ戻る
3.他に類を見ない競技特性が様々な魅力を生み出す
バドミントンの試合では、1.55mほどの高さのネットを挟んで、シャトル(羽根)を打ち合います。
速いショットから遅いショットまで、何種類ものショットを駆使して対戦します。
速いショットの代表格はスマッシュ、遅いショットの代表格はヘアピンです。
全力で打つスマッシュの速度は300km/h以上にもなり、繊細なタッチでネット際へ落とすヘアピンの速度はほとんどゼロです。
こんなに緩急差のある競技は、バドミントンをおいて他にはありません。
基本のショット6種類
バドミントンは、高い位置から打つ方が、スマッシュのような強いショットを打てるので有利ですが、1.55mというネットの高さがまた絶妙なんです。
ネットより高い打点から打てることもあれば、低い打点でしか打てないこともあります。
だから、いつでも好きなショットを打てるわけではなく、状況に応じて打てるショットの種類が限られます。
そのため、パワーだけではない駆け引きが必要で、これがバドミントン競技をおもしろくしています。
バドミントンは、他の競技と比べ、頭脳戦の要素が極めて高いのです。
この競技特性のおかげで、ただ楽しくバドミントンをしているだけで、健康な体質になったり、頭を使って考える習慣が身に付いたり、人脈や人格形成に役立ったりと、様々な恩恵に預かることができます。
詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。
こんなに凄い!バドミントンの本当の魅力
目次へ戻る
4.まずはこれだけ覚えよう!バドミントンの競技ルール
バドミントンのルールには、試合を構成するルールと、プレイに関するルールがあります。
細かいルールまで含めると相当な数になりますが、ほとんどは直感的にわかるものです。
ここでは、最初に覚えるべき最低限のルールだけ、ご紹介します。
【試合を構成するルール】
バドミントンの試合には、1対1で対戦するシングルスと、2対2で対戦するダブルスがあります。
シングルスには男子と女子の2種目、ダブルスには男子、女子、ミックスの3種目あります。
いずれの種目も、21点3ゲームマッチが正式なルールです。
市民大会等、時間に制約のある大会では、21点の代わりに15点や11点を採用する場合もあります。
3ゲーム中、先に2ゲーム取った側が勝利となります。
得点が20-20になったゲームは延長戦となり、2点差がつくかどちらかが30点になるまで続きます。
バドミントンの試合は個人戦ですが、個人戦を組み合わせることでチーム対抗の団体戦にすることもできます。
団体戦に採用される種目は大会によって異なりますが、3対戦または5対戦にして、先に2勝または3勝した方を勝ちとすることが多いです。
【プレイに関するルール】
次に、プレイに関するルールです。
その中でも、最初に知っておくべきものは、コート、ネット、サービスに関するルールです。
知らないとうっかりやってしまいそうな、次の反則には特に注意しましょう。
・ラケットや体が、ネットに触れたり、ネットを越えたりするのは反則です。
ただし、シャトルがネットに触れても反則ではありません。
サービスの時にシャトルがネットに触れても、テニスや卓球のようにサービスのやり直しにはならず、そのままプレイ続行されることを覚えておきましょう。
・サーブを打つ時は床から115cm以上高いところでシャトルを打つと反則になります。(正確にはシャトル全体が床から115cm以内にないといけません。)
このルールにより、テニスのようにネットの上からたたき込むサーブは打てませんので注意しましょう。
・サービスラインを踏んだり、越えたり、動きながらサーブしたりするのは反則です。
コートに関するルールはこの後お話しします。
【コートに関するルール】
シングルスとダブルスでは、使うコートの範囲が変わります。
下の図はコートを上から見た時のもので、赤線で囲んだ範囲になります。
ダブルスではコート全面を使いますが、シングルスではサイドラインが一つ内側のラインになり、ダブルスコートよりも横幅が狭くなります。
シングルスとダブルスでは、サービスコートの範囲も変わります。
下の図で、黄色で囲んだ範囲が、それぞれのサービスコートになります。
シングルスはサイドライン側が狭くなり、エンドライン側はすべて使います。
ダブルスではエンドライン側が狭くなり、サイドライン側はすべて使います。
自陣の黄色い範囲内からサーブをして、相手コートの黄色い範囲にシャトルが入らないと反則になります。
【ダブルスのサービス】
ダブルスのサービス順やサービス位置については、混乱しやすいので、正しく理解しておく必要があります。
コイントスやジャンケンで、サービスを取ったチームが、右側の人からサーブしてゲームを始めます。
下の図は、0-0から2点が動くまでの、合計4パターンを図解したものです。
AとBのチームのサーブから始まる場合、AがCに対して最初にサーブします。
得点して1-0になると、次はAが左のコートからDに対してサーブします。
失点して0-1になると、サービス権が相手に移り、次はDがBに対してサーブします。
慣れないと複雑に感じますが、次の3点さえ押さえれば理解できます。
・サーブした側が得点した時は、サーブ側の2人だけが左右のポジションを入れ変える。
・サーブした側が失点した時は、4人ともポジションは変えず、サーブ権だけが移動する。
・サーブする側の得点が偶数なら右側からサーブ、奇数なら左側からサーブする。
必ずA→D→B→Cの順にサーブすることになりますので、自分の直前にサーブする人を覚えておけば、自分の順番を間違えることもありません。
最初は混乱すると思います。経験豊富な方に助けてもらいながら、徐々に慣れていきましょう。
なお、シングルスの場合は、自分でも相手でも、サーブする側の点数が偶数なら右コートから、奇数なら左コートからサーブするとだけ覚えておけば、間違えることはありません。
目次へ戻る
5.これで安心!最初に揃えるべき道具一式
競技バドミントンを始めたいと思った時に、買い揃えるべき道具は、ラケット、シャトル、シューズ(室内用)です。
ラケットを持ち運ぶ際に傷をつけないよう、ラケットケースも必要です。
シューズは汚れますので、衛生面を考えてシューズバッグも必要です。
大きめのビニール袋等でも代替は可能です。
シャトルは水鳥の羽根でできた競技専用のものを使います。
消耗品なので、常に1ダース(12個)持っておくようにすると安心です。
シャトルは、円筒形の細長い筒に入った形で売られています。
筒1本の中に12個入っていますので、練習には1本単位で持って行けば、持ち運びが楽です。
試合で使う検定球から練習専用のものまで、様々な種類のシャトルがありますが、最初は耐久性や飛行特性がそこそこ良い、1ダース2千円代の練習球をおすすめします。
千円前後の安い練習球も売られていますが、通常は、安いものほど耐久性が低く壊れやすかったり、一つ一つの飛び方にばらつきがあったりして、扱いが難しくなります。
その他には、大きめのバッグ、動きやすい服装、タオルなども必要ですが、慌てて買い揃えなくても、まずは手持ちのもので十分です。
ラケットバッグやバドミントン専用ウェア・タオルなどは、欲しくなったタイミングで買いましょう。
ラケットバッグは、ラケット、シューズ、着替えなど、1回の練習に必要なものがすべてコンパクトに収まるよう設計されていますので、持ち運びにとても重宝します。
下の写真のような形が一般的ですが、直方体型やリュック型など、ラケットが入っているとわからないデザインのバッグもあります。
1万円近くするものが多いですが、耐久性がよく何年も使えますので、決して高い買い物ではないと思います。
これらの道具は、バドミントンコーナーのある大型スポーツショップでも揃えられますが、できればバドミントン専門店の方がおすすめです。
圧倒的に品揃えもよく、大抵のことは店員さんに聞けば解決するからです。
お近くのバドミントン専門店を探すには、「バドミントンショップ 横浜」のように、地域名を入れてネット検索すれば、簡単に見つかります。
関東圏なら、ラケットショップフジさん、ウェンブレ―さん、ウィンザーさんが、個人的にはおすすめです。
目次へ戻る
6.自分に合ったラケットの選び方・買い方
【ラケットの基礎知識】
お店に行ってラケットを買っても、すぐにバドミントンができる訳ではありません。
通常、ラケットはガット(ストリングス)が張られていない状態で売られています。
お店でガットを張ってもらうのに、1日〜数日必要です。
一応、グリップテープは薄いものが巻かれていますが、グリップ力を高めるために、別売りのグリップテープを買って巻いた方がいいです。
下の写真は、ガットを張り、グリップテープも巻いた、仕上がった状態のラケットです。
ラケットは、ヘッド、シャフト、グリップの3つの部位から出来ていて、ヘッド部にガットが張られます。
ラケットを購入する際は、ご自身に合ったラケットを選ばないと、シャトルがラケットにうまく当たらない、思ったほど飛ばないといったようなことが起こります。
では、どのようなラケットを選べばよいのでしょう?
ポイントさえ押さえれば、初心者の方でも、ご自身でラケットを選べるようになります。
【ラケットの選び方】
ラケット選びのポイントは、ラケットの重さ、重心の位置、シャフトの硬さ、グリップの太さの4つです。(※ガットの選び方については後述します。)
(1)ラケットの重さ
ラケットは、軽いほど振るのが楽ですが、シャトルにパワーが伝わりにくくなります。
逆に、重いほどパワーを伝えやすいですが、速く振るのが難しくなります。
ラケットの重さは、「U」という記号の前に数字を付けて表します。
この数字が小さいほど重く、大きいほど軽くなります。
逆の方が感覚的にわかりやすいのですが、技術の進歩により軽量化が進むごとに新しい数字が振られてきたために、このような関係になっています。
現在お店で目にするラケットは、ほとんどが2U〜5Uです。
初心者の方には、重すぎず軽すぎずの3Uか4Uがおすすめです。
(2)重心の位置
ラケットのシャフト部分を人差し指1本で支えて、バランスの取れる点が重心です。
この重心の位置がヘッド寄りにある(ヘッドヘビー)か、グリップ寄りにある(ヘッドライト)かで、ラケットを振る時の感覚が異なります。
ラケットを振る時、ヘッドヘビーだと重く感じられ、ヘッドライトだと軽く感じられます。
ヘッドヘビーであるほど、ラケットにパワーを伝えやすくなりますが、重く感じられる分、操作性が悪くなります。
初心者の方には、操作しやすいヘッドライト寄りのラケットをおすすめします。
(3)シャフトの硬さ
やわらかいシャフトは、よくしなるため、非力でもシャトルを飛ばしやすいです。
しかし、スイングスピードが速すぎると、しなりが戻り切る前にシャトルをとらえてしまい、逆に飛ばなくなりますので、パワーのある方には硬いシャフトの方が合っています。
初心者の方には、遅いスイングスピードでも、しなりでシャトルを飛ばすことのできる、やわらかめのシャフトをおすすめします。
メーカーによっては、シャフトの硬さではなく「打球感」という名称で書かれていますので、これが硬いか柔らかいかで判断して下さい。
(4)グリップの太さ
グリップの太さに関する記号は「G」で、その後ろに数字を付けて太さを表します。
数字が小さいほど太く、大きいほど細くなります。
ラケットの重さと同様、数字の大小とは逆の関係になりますので注意して下さい。
現在お店で目にするラケットは、ほとんどがG4〜G6です。
細い方が操作性はよく、ラケットの持ち替え(※後述します)はしやすくなりますが、パワーを伝えるのは難しくなります。
初心者の方には、太すぎず細すぎず、手の大きさに合ったグリップをおすすめします。
最初は、手の小さい方はG5かG6、手の大きい方はG4かG5がよいでしょう。
手で持ってみた感じで、しっくりくる太さのものを選べばよいのですが、迷ったら細い方を選んで下さい。
若干細いと感じる方が、グリップテープを巻いた時にちょうどよい太さになります。
重心やシャフトの硬さは、同じ種類のラケットならどれでも同じですが、重さとグリップの太さは1本1本違います。
大きいお店なら、3UG5や4UG6のように、UとGの組み合わせの異なるラケットが何本も陳列されています。
シャフトかグリップの先端付近に書かれていることが多いので、購入される前に、忘れずに「U」と「G」に付く数字を確認するようにして下さい。
【ラケットの価格】
最新のラケットは、定価2万円台のものが多いですが、初心者の方には、旧モデルの定価1万円〜1万5千円のラケットをおすすめします。(※ジュニアの方なら定価1万円を切る競技用ラケットもあります。)
実際は、多くのお店で定価の20%引きとかで売られていますので、1万円前後で買えるラケットで十分です。
いきなり高額ラケットを買っても、十分に使いこなせないので、コストパフォーマンスが悪すぎます。
逆に、定価5000円を切るような安いラケットは、レジャー用のため競技には向きません。
競技バドミントンを始めるなら、最初から競技用のものを買いましょう。
競技用かレジャー用か書かれていない場合は、店員さんに聞けば教えてくれます。
ラケットメーカーとしては、YONEX(ヨネックス)さん、GOSEN(ゴーセン)さん、MIZUNO(ミズノ)さんが有名ですが、個人的には、世界的評価も高く最も品揃えのよいYONEXさんのラケットがおすすめです。
ラケットの進化するスピードは目覚ましく、今おすすめのラケットも数年後にはそうでなくなったり、廃版になることすらあります。
今高いラケットも、数年後には価格が下がって、初心者の方にとってもコストパフォーマンスのよいラケットになっているかもしれません。
ラケットを購入されるタイミングで、お店の方に聞きながら候補を絞り込むのが、最もよい方法だと思います。
【ガットの選び方】
ラケットを購入する際は、ガットもセットで購入する必要があります。
ガットにも様々な種類のものがありますが、ラケットごとにメーカー推奨のガットがありますので、迷ったら推奨のガットを選んでおけば問題ないでしょう。
ここでは、ご自身でガットを選ぶ際に、気を付けたいポイントをお話しします。
ガット選びのポイントは、太さ、特性、テンションの3つです。
(1)太さ
「ゲージ」と表記されることもあります。
ガットの太さは0.6mm〜0.75mm程度と幅があります。
ガットが細いほどシヤトルをとらえた時のパワーロスが少なく、シャトルはよく飛びますが、切れやすいのが難点です。
ガットが太いほどシャトルは飛ばなくなりますが、耐久性は上がります。
飛びやすさと切れにくさのバランスをとって太さを決めましょう。
0.65mm以下の細いガットは、本当によく切れます。
運が悪いと1回練習しただけで切れることもあります。
また、スイートスポット(ラケット面の中心付近)を大きく外して打ってしまうと、ガットは切れやすくなります。
初心者の方は、スイートスポットを外すことも多いので、細すぎるガットは避け、0.7mm程度のやや太めのガットを選ぶとよいでしょう。
参考までに、ガットを1回張り替えるのにかかる費用は、ガット代と張り替え代を合わせて3千円前後です。
(2)特性
ガットの特性には、コントロール、反発、オールラウンド、耐久など、様々なものがあります。
ガットの素材、構造、コーティング、太さ等を変えることで、コントロール性をよくしたり、反発性をよくしたりしています。
一般的に、反発性を売りにするガットは細く、耐久性を売りにするガットは太くなっています。
パワー重視なのかコントロール重視なのか、ご自身の目指すプレイスタイルに合わせてガットの種類を選ぶとよいでしょう。
初心者の方は、プレイスタイルも固まっていないと思いますので、あまり考えすぎる必要はありませんが、反発重視のガットは切れやすいので避けた方が無難です。
迷ったら、耐久性も含め特性バランスのよい、YONEX BG65TI 強チタン(太さ0.7mm、オールラウンド)をおすすめします。
(3)テンション
ガットを張る時の強さのことです。
テンションは、lbs(ポンド)という単位で表し、大半の方は17〜30lbsの間で張られています。
パワーのあるトッププレイヤーなら30lbs以上という方もいますが、市民プレイヤーなら20lbs前後で張る方が多いと思います。
ラケットごとに推奨テンションの範囲が決まっていますので、その範囲内で張るようにしましょう。
推奨範囲を超えて強く張るとラケットが折れやすくなり、弱くしすぎるとラケットの性能が引き出せなくなります。
推奨範囲は、シャフトかグリップの先端付近に書かれていることが多いので、必ずチェックして下さい。
弱めに張った方がシャトルは飛びやすいので、初心者の方には17〜19lbsのテンションをおすすめします。
【ラケット購入方法】
初めてラケットを購入する際は、通販ではなく、直接お店に行くようにしましょう。
ラケットを手に取って選ぶことができ、疑問が生じたらその場で店員さんに聞くこともできるからです。
購入するのは、ラケット、ガット、グリップテープの3つです。
ラケットとガットは、上でお話ししたことを参考にして選んで下さい。
グリップテープは、500円前後で売られていて、大きく分けると、ゴム製のものとタオル生地のものがあります。
タオル生地は汗を吸うと固くなり、感覚がかなり変わってくるので、初心者の方にはおすすめしません。ゴム製のものからお好みで選んで下さい。
私のおすすめは色で選ぶことです。
ゲーム中、グリップはしょっちゅう目に入りますので、気分の上がる色にしておくと、多少なりともプレイに良い影響があると考えるからです。
ラケット、ガット、グリップテープを持ってレジへ行くと、店員さんからガットのテンションをどうするか聞かれますので、ご希望のテンションを伝えて、張ってもらうようにしましょう。
張り上がりの日時を言われたら、その日時以降にもう一度お店に行って、ラケットを受け取って下さい。
張り上がり希望日を聞かれた場合は、希望日を伝えます。
特になければ、最短で張り上げ可能な日時にしてもらえばよいでしょう。
ラケット購入時に、サービスでグリップテープを巻いてくれるお店もあります。
自分で巻くのが不安な場合は、お願いしてもよいでしょう。
※グリップテープは、ラケットを使うたびに少しずつ劣化していきます。グリップ力が落ちてきたと感じたら巻き直すことになりますので、早いうちに自分で巻けるようになりましょう。
ラケットには保証書が付いていますので、失くさないように保管して下さい。
保証書があれば、ラケットが折れてしまった時など、無償または割安で新品ラケットと交換してもらえる場合があります。
また、多くのお店ではラケットケースをサービスで付けてくれますが、付いていない場合は合わせて購入しましょう。
ラケットは何かにぶつけて傷がつくと、その部分から折れやすくなります。
新品のラケットをむき出しにして持ち運ぶのは、とてもおすすめできません。
ガットとグリップテープは消耗品です。
ガットは、使っているうちにテンションが落ちてきます。
大抵の場合、数か月も使えばガットは切れますので、そのタイミングで張り替えればよいのですが、もともと低いテンションで張っていたり、練習量が少なかったりすると、半年以上切れないこともあります。
ガットが緩くなりすぎると、狙ったところに打つのが難しいので、ガットを軽く手で押してみて凹みが大きいようなら、切れていなくても張り替えるようにしましょう。
【ガット張り替え方法】
練習中にガットが切れたら、なるべく早く、縦糸と横糸の両方にはさみを入れて、テンションゼロの状態にして下さい。
一部だけ切れた状態で何日も放置すると、1箇所に圧力が集中し、ラケットを変形させたり、寿命を短くする原因になります。
ラケットをお店に持って行きます。
ラケット購入店でなくても問題なく張り替えてくれます。
切れたガットはすべて綺麗に外しても、そのまま残しておいてもかまいません。
乱暴にガットを外すと、ガットを通す穴が損傷することがありますので、ご自身でガットを外される場合は注意して下さい。
お店で新しいガットを選んで、希望のテンションを伝えます。
張り上がり日時を確認して、後日受け取りに行きましょう。
ラケットを受け取る時は、張り替えによりひびが入ったりしていないか、確認して下さい。
特に、高いテンションで張る時は要注意です。
【グリップテープ交換時期】
グリップテープも、使えば使うほど擦り減り、グリップ性能が落ちてきます。
滑りやすくなってきたら、必ず巻き直すようにして下さい。
ラケットがすっぽ抜けてパートナーや対戦相手を怪我させることのないよう、早めに巻き直しましょう。(※夏場は汗で滑りやすくなるので、冬場よりも早めの巻き直しをおすすめします。)
目次へ戻る
7.絶対に知っておくべきバドミントンのマナー
競技としてのバドミントンを始めるには、通常、地域のクラブやサークルに加入することになります。(※クラブデビューする方法は後述します。)
チームの一員になる訳ですから、チームに貢献する行動を心がけるべきです。
デビューする前に、最低限のマナーは押さえておきましょう。
【練習前のマナー】
体育館に入る時は「こんにちは」、「こんばんは」など、一言でもいいので必ず挨拶をしましょう。
挨拶が終わったら、すぐにネットを張りましょう。
友人とおしゃべりしたり、準備運動を始めたり、個人的な行動はネットを張ってからにしましょう。
体育館に遅れて到着し、すでにコートの設営が終わっていた時は、コートを先に使わないようにしましょう。
時々、体育館に来るなり練習を始めてしまう人がいますが、よい行動とは言えません。
すぐに練習を始めたいなら、先に来て準備をしてくれた人の了承をもらうようにしましょう。
【練習中のマナー】
意図せず、シャトルが相手に当たってしまった時は、「すみません」と言ったり、軽くラケットを上げたりして、謝罪の気持ちを示しましょう。
たとえルールに則ったプレイ中に起きたとしても、シャトルを当てたら謝るのがマナーです。
世界トップレベルの選手でも、ちゃんと謝っています。
ゲーム中、シャトルを相手側へ返す時は、ネットの上から、次にサーブする人へふわりと返すのがマナーです。
強打して返したり、相手から遠い所へ返したり、ネットの下から払うように返したりするのはマナー違反です。
ゲーム中に、シャトルをネットに掛けてしまった時は、自分でシャトルを拾いに行って、相手に返すのがマナーです。
相手の方が近くても、自分で拾いに行きましょう。
自分が拾う前に相手が拾ってくれたら、「すみません」とひとこと言うようにしましょう。
【練習後のマナー】
練習が終わったら、率先してネットを片づけたり、モップ掛けをしましょう。
特にコート準備のできなかった日は、必ずあと片付けをするようにしましょう。
コート準備もあと片付けもしない日が続くと、周りの人たちは不快な気持ちを抱き始めるでしょう。
着替えをするなら、急いでしましょう。
クラブの代表の方は、最後に体育館の戸締りをします。
余計なおしゃべりなどせず、早く体育館を出るのが、代表者へのマナーです。
帰る際には、他のメンバーの方々へ「ありがとうございました」とお礼を言うようにしましょう。
特に、みんなが気持ちよく練習できるよう気を遣ってくれている代表の方へは、忘れずにご挨拶しましょう。
目次へ戻る
8.早く上達するために必要なこと
バドミントンは、様々な技術を駆使して対戦する競技です。
正しい技術を身に付けず、我流のまま続けていると、上達が遅れたり伸び悩む原因になります。
もっとも厄介なのは、変な癖を身に付けてしまうことです。
理屈もわからず、見様見真似で技術を身に付けても、練習相手のレベルが低いうちは、何とかなってしまいます。
問題が見えにくいため、結果的に変な癖を身に付けてしまうことが、往々にして起こります。
ラケットの握り方、打ち方、動き方、ダブルスのフォーメーションには、決まった基礎技術があります。
特に、誤った握り方で誤った打ち方を覚えてしまうと、矯正するのに時間がかかります。
決まった基礎技術があるのには、ちゃんとした理由も理論もあります。
最初は上手い人に教えてもらうようにしましょう。
それが難しければ、技術本を買って読んだり、ネットで調べたりしてもいいので、基礎技術だけは正しく身に付けるようにして下さい。
後述の基礎技術解説も参考にして下さい。
基礎技術を身に付けるために、基礎打ちの時間を有効に使いましょう。
基礎打ちとは、練習の最初に行う、様々なショットを打ち合う練習です。
ドライブ、ドロップ、プッシュ、クリア、ヘアピン、スマッシュなど、基本のショットを打ち合います。
基礎打ちをウォーミングアップとしか捉えていない人もいますが、せっかくするなら実戦を意識しましょう。
前に出たり、後ろへ下がったり、意識的に動きをつけて打つようにすると、早く上達します。
ダブルスでは、隙のない攻撃や守備をするために、ペアと動きを合わせるフォーメーションを覚えましょう。
自分のペアや対戦相手の状況を考えながら練習すると、早く上達します。
目次へ戻る
9.競技バドミントンの始め方(デビューまでの流れ)
競技バドミントンを始めるには、地域のクラブに参加するのが簡単です。
でも、どうやって自分に合ったクラブを見つければいいのか、いきなり初心者が参加してもいいのか、不安に思われるかもしれません。
ここでは、競技バドミントンを始めたいと思ってから、地域のクラブにデビューするまでの流れをお話しします。
【STEP1:バドミントンの基礎知識を学ぶ】
最初に、競技バドミントンとはどういうものなのか、競技特性、ルールや道具、マナー等の基礎知識を学びましょう。
このページを一通り読んで理解していただければ十分です。
【STEP2:道具を揃える】
基礎知識を学んだら行動あるのみです。
まずは道具を揃えましょう。
5章、6章で書かせていただいたことを参考にして下さい。
【STEP3:個人練習する(省略も可)】
一度も体育館でバドミントンをしたことがなく、いきなりクラブへ行くのが不安な方は、まずは体育館の個人開放を利用してみるとよいでしょう。
友人を誘って体育館へ行って、シャトルを打ってみましょう。
中には団体でしか使えない体育館もありますが、多くの体育館では個人向けにコートを開放しています。
ネットで調べて体育館に問い合わせると、利用方法を教えてもらえます。
実際に一度でもやってみると、少し勝手がわかりますので、クラブ参加への不安が軽減されるでしょう。
ある程度打てるようになってからクラブデビューしたいという方は、初心者向けのバドミントン教室に通うという手もあります。
教室に通うのが難しければ、コーチを呼んで個人レッスンを受けるという手もありますが、2〜3時間の指導で1万円前後かかるのが普通です。
ネットで調べれば、バドミントン教室やコーチを見つけることができます。
【STEP4:クラブを探す】
地域のクラブを探すには、ネットで調べるか、お近くのスポーツセンターや市役所等で聞くか、どちらかになります。
友人が参加しているクラブがあれば、連れて行ってもらってもよいでしょう。
ネットで調べる際は、「バドミントン クラブ 横浜」、「バドミントン サークル 横浜」のように、練習拠点にしたい地域名を入れて検索して下さい。
クラブの候補が見つかったら、初心者の参加可否をチェックして下さい。
中には、上中級者しか受け入れていないクラブもあります。
クラブのホームページに参加条件が書かれていることが多いです。
不明な場合は、クラブの代表者へ問い合わせましょう。
【STEP5:クラブ代表者とコンタクトを取る】
場所や練習日も確認の上、参加してみたいクラブが決まったら、代表者とコンタクトを取り、初回参加したい日を伝えましょう。
知らないクラブに参加させてもらうのは勇気がいりますが、一度参加したらずっと参加し続けないといけないなんてことはありませんので、まずは参加してみることが大事です。
中には、初回参加費無料で、お試しさせてくれる良心的なクラブもあります。
初心者には一から指導してくれるクラブもあれば、そうでないクラブもありますが、どちらでも、自分から話しかければ大抵は教えてもらえます。
一度参加してみて、レベルが高すぎたり、年齢層や雰囲気が合わないと感じたら、別のクラブを探してもかまいませんし、何度か参加してみて合わないと思ったら、その時点で参加をやめてもかまいません。
最初のうちは、周りの人がみんな自分よりも上手いと思いますが、練習を続ければ差は埋まってきますので、気にしないようにしましょう。
最初から上手い人なんていません。上手い人にも初心者だった時期が必ずあります。
【STEP6:クラブデビュー】
ここまで来ると、いよいよクラブデビューです。
最初に練習に参加する際は、体育館に着いたらまず代表者の方にご挨拶しましょう。
自分から話しかければ印象も良くなりますし、いろいろ気をかけてもらえるでしょう。
コート設営やカーテン締めなど、練習の準備も率先してお手伝いしましょう。
練習で使うシャトルは、大抵のクラブで用意してくれています。
基礎打ち(※後述します)には使用済みシャトル、ゲーム練習には未使用シャトルと、使い分けるのが普通です。
練習メニューは、クラブによって異なりますが、最初に基礎打ちをして、終わったらずっとゲーム練習というクラブが多いと思います。
ゲーム練習は、ダブルス中心のクラブが多く、シングルス中心のクラブは少数派です。
中には、フットワーク、ノック、パターン練習など、ゲームよりも基礎練習が中心のクラブもあります。
事前に練習メニューを知りたい方は、代表者に問い合わせましょう。
練習中は、すべて代表者の指示に従って下さい。
コートが空いていても勝手に使わないようにしましょう。
7章で書かせていただいた通り、練習中だけでなく、練習前後のマナーにも注意して下さいね。
最初は緊張すると思いますが、雰囲気に慣れて少し余裕が出て来たら、自己紹介でも何でもいいので、近くの人と話をしてみて下さい。
話してみないと、クラブの良さに気づけないかもしれません。
練習が終わったら、後片付けを手伝い、参加費を払い、急いで帰る身支度をし、練習のお礼、感想、次回も参加したいかどうかを、代表者の方にお伝えしましょう。
次回参加を見合わせたい場合、曖昧にせずきちんとお伝えした方が、代表者の方にとっても助かります。
他のクラブメンバーの方にも忘れずにお礼を言って、帰宅しましょう。
これで、クラブデビュー完了です。
楽しいと思ったら、あまり間を空けず、また次の練習に参加して、早く顔を覚えてもらうようにしましょうね。
目次へ戻る
10.最初が肝心!バドミントンの基礎技術
初心者の方が最初に覚えるべき基礎技術には、ラケットの握り方、打ち方、動き方があります。
ダブルスのゲームをするには、フォーメーションも覚えなければなりません。
よく使う基本的なショットも打てるようになる必要があります。
基礎技術を覚えず、我流でバドミントンを続けると、上達が遅くなるだけでなく、避けられたはずの怪我をする原因にもなります。
【ラケットの握り方】
ラケットの握り方と打ち方には密接な関係があり、握り方が悪いと打ち方も悪くなります。
だから、最初に覚えるのは正しい握り方です。
ラケットのグリップは八角形をしていますが、ラケット面と平行な2面(下の写真では上下の面)は最も幅が広く、ラケット面と垂直な2面(下の写真では左右の面)は、少し幅が狭くなっています。
残りの4面は斜めになっている面です。
このグリップ面の幅の違いにより、ラケットの面が今どこを向いているか、見なくてもわかるようになっています。
どんな握り方でも、シャトルを捉える時に、最も幅の広いグリップ面がシャトルの方向へ向いていないと、真っ直ぐ当たりません。
握り方には、大きく分けて、イースタングリップ、ウェスタングリップ、バックハンドグリップの3つあります。
利き腕側に来たシャトルはラケットのフォア面で打ち、利き腕と反対側に来たシャトルは反対側の面(バック面)で打つのが基本です。
フォア面で打つ時はイースタングリップかウェスタングリップ、バック面で打つ時はバックハンドグリップで打ちます。
イースタングリップは親指と人差し指をグリップの最も広い面に当てて握ります。
ウェスタングリップは、そこからラケットを90度回し、親指と人差し指を狭い方の面に当てて握ります。
写真で違いを見てみましょう。
※握り方とラケット面の向きの関係がわかりやすいよう、シャフトの短いレジャー用ラケットを用いています。
イースタングリップ
ウェスタングリップ
手の向きが同じ(手のひらが床側)になるよう握っていますので、ラケット面が90度違うことがおわかりいただけると思います。
ウェスタングリップは、手のひらとラケット面が同じ向きのため、直感的にシャトルを捉えやすく、我流でバドミントンを始めた方に多い握り方です。
この握り方では、自然とハエ叩きのようにラケットを押し出す打ち方や、手首の曲げ伸ばしを使う打ち方になってしまいます。
シャトルを狙ったところへコントロールしやすいのがメリットですが、ラケットを回して打つのが難しいため、コンパクトに強い球を打ちづらい欠点があります。
また、手首の曲げ伸ばしでも打ててしまうため、手首を痛めやすいという弊害もあります。
逆に、イースタングリップはハエ叩きのような打ち方をすると、全くシャトルに当たらないので、最初は打ちづらく感じると思います。
この握り方では、リストを立ててラケットを回す打ち方がセットになります。(※後述します。)
前腕(肘から先の部分)の回転力により、大きなパワーを出すことができます。
手首の曲げ伸ばしがありませんので、手首を痛めることもありません。
初心者の方にマスターしてほしいのは、このイースタングリップです。
次の2つの写真は、手のひら側、手の甲側から見たイースタングリップの写真です。
ラケットと手のひらの間に少し隙間ができるくらい軽く握ります。
打つ瞬間にこの隙間を埋めるように、ギュッと握り込むと、ラケットヘッドが走って、強い球を打つことができます。
イースタングリップ手のひら側
イースタングリップ手の甲側
ウェスタングリップでも、イースタングリップでも、利き腕の反対側に来たシャトルを打ち返す時には、ラケットの反対側の面(バック面)を使うのが基本です。
このバック面で打つ時の握り方は、バックハンドグリップと呼ばれます。
下の写真のように、親指を立て、グリップの最も広い面に親指の腹を当てます。
バックハンドグリップでは、親指の腹全体をグリップに当てるため、イースタングリップやウェスタングリップと比べ、ラケットが45度程度回ります。
バックハンドグリップ
【打ち方】
上でお話しした通り、ウェスタングリップを前提とした打ち方は、初心者の方にはおすすめしませんので、ここでは、イースタングリップでのフォアハンドの打ち方と、バックハンドグリップでのバックハンドの打ち方を解説します。
<フォアハンドの打ち方>
下の連続写真のような打ち方になります。
連続写真1枚目
連続写真2枚目
連続写真3枚目
連続写真4枚目
連続写真5枚目
連続写真6枚目
ラケットを回転させて打つため、1〜3枚目の写真ではフォア面(親指側の面)、4〜6枚目の写真ではバック面(人差し指側の面)が見えています。
ドライバーでネジを緩める時のように、前腕を内側に捻って、ラケットを回転させます。(※左利きの方は、ネジを締める方向になります。)
この動作を「回内」と呼びます。
腕とラケットを一直線(前腕とシャフトの間の角度が180度)にしたままスイングすると、回内してもラケットヘッドが走りません。
強いショットを打つコツは、リストを少し立てることです。
これにより、ラケットのシャフトと前腕の間に角度が付きます。
この角度を保ったまま回内することで、ラケットヘッドが走るようになります。
人によってベストな角度は違いますが、100〜110度くらいで打つ方が多いです。
シャトルに当たる直前に、グリップを握り込む動作(握り込みという技術)を入れると、ラケットヘッドはさらに走ります。
詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。
【バドミントン上達コラム】徹底解説!内旋、回内、握り込みを使ったフォアハンドの打ち方
<バックハンドの打ち方>
下の連続写真のような打ち方になります。
連続写真1枚目
連続写真2枚目
連続写真3枚目
連続写真4枚目
連続写真5枚目
グリップの幅の広い面に親指の腹を当てて打ちます。
ラケットを回転させて打つため、1〜2枚目の写真ではバック面(人差し指側の面)、3〜5枚目の写真ではフォア面(親指側の面)が見えています。
ドライバーでネジを締める時のように、前腕を外側に捻って、ラケットを回転させます。(※左利きの方は、ネジを緩める方向になります。)
この動作を「回外」と呼びます。
バックハンドで打つ時は、フォアハンドの時ほど肩や上腕の力が使えないため、どうしてもパワーが落ちます。
それでも、リストを少し立てた回外と握り込みにより、十分にパワフルなショットを打つことができます。
詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。
【バドミントン上達コラム】徹底解説!外旋、回外、握り込みを使ったバックハンドの打ち方
ゲーム中は、フォア面、バック面どちらで打つか瞬時に判断しなければなりません。
フォア面で打つならイースタングリップ、バック面で打つならバックハンドグリップになるため、瞬時のラケット持ち替えがしばしば発生します。
イースタングリップとバックハンドグリップの持ち替えも意識して練習しましょう。
正しい打ち方をしていても、慣れるまでは、シャトルが思うように飛ばず不安になるかもしれません。
間違った打ち方をしていないか確認するためにも、できるだけ上手い人に見てもらうようにしましょう。
【動き方】
ここでは、基本の動き方だけ解説します。
シングルスの場合、ホームポジション(コート中央付近)から動いて打つ、打ったらまたホームポジションに戻るというのが、基本の動き方です。
ダブルスの場合、ホームポジションという考え方はなく、状況に応じて、コートの左右半分ずつ、前後半分ずつ、斜め半分ずつなど、ペアと半分ずつ担当範囲を分担するのが基本です。
それぞれが、担当範囲内に来たシャトルを、動いて取りに行きます。
以降は、右利きの方の場合で説明します。
左利きの方は、足の動かし方が逆になります。
遠くのシャトルを取りに行く時は3歩で取るのが基本で、右→左→右の順に足を出します。
歩幅を変えることで、動く距離を調整します。
コートの端から端まで動く時など、3歩で到達できない時は、右→左→右→左→右の5歩で取りに行きます。
長い距離を動く時は、3歩か5歩にし、最後に右足で踏ん張ることで、安定したショットを打ちやすくなり、戻りも速くなります。
近くのシャトルを取りに行く時は、右側でも左側でも、右足を出して1歩で取るのが基本です。
ただし、体の左側へ速いショットが来た時は、右足を出す時間的な余裕がないため、左足を出すことで瞬時に距離を稼いで取るようにします。
体周りに来たスマッシュ等、動く時間がない時は、足を出さず、その場で打ち返します。
ただし、遅い球なら、シャトルが来るまでその場で待つのではなく、少しでも動いて、良いポジションに入り、高い打点で打つようにしましょう。
最初のうちは、なるべく「動いて止まって打つ」ようにして下さい。
動きながら打つと、目線がブレたり、タイミングを合わせるのが難しかったりするため、ミスが出やすくなります。
【ダブルスのフォーメーション】
ダブルスをする前に、最低限覚えなければならないのがフォーメーションです。
ダブルスは2人でするものなので、全部のシャトルを取ろうとして自分勝手な動きをすると、ゲームをしても勝てないばかりか、パートナーとぶつかって怪我をしたりさせたりする原因にもなります。
ダブルスには「トップアンドバック」と「サイドバイサイド」の2つの基本的なフォーメーションがあります。
ダブルスをする際に誰もが意識する、常識と言っていいレベルのフォーメーションです。
逆に言うと、これを知らずにダブルスをすると、パートナーを困惑させてしまいます。
<トップアンドバック>
次の図は、コートを上から見た図で、真ん中の点線はネットを表しています。
一人が前、一人が後ろの縦に並ぶ攻撃的なフォーメーション(A,Bのフォーメーション)を、トップアンドバックと呼びます。
ダブルスでは、一人が後ろから攻撃し、浅く返って来たシャトルをもう一人が決めるというのが、基本的な得点パターンになります。
そのため、相手が奥の方へシャトルを上げて返して来たら、シャトルに近い方の人が下がって打ちに行き、もう一人が前にポジションを取るのが定石です。
このフォーメーションの時、Aのことを前衛、Bのことを後衛と呼びます。
トップアンドバックの時は、通常、シャトルを上から打ち下ろせる状況なので、相手はスマッシュに備え、サイドバイサイドのフォーメーションを取ります。
<サイドバイサイド>
2人が横並びになる守備的なフォーメーション(A,Bのフォーメーション)を、サイドバイサイドと呼びます。
自分たちがシャトルを上げて返すと、通常、相手はトップアンドバックになって攻撃してきます。
スマッシュのような速い球は、体から近い範囲でないと取れないので、横方向の空きスペースをなくすために、サイドバイサイドになって担当範囲を分担します。
どちらのペアもシャトルを上げず、お互いにスマッシュを打てない状況では、サイドバイサイドどうしで打ち合うこともあります。
相手がシャトルを上げて来たらトップアンドバックに、自分たちがシャトルを上げたらサイドバイサイドになるのが基本と覚えておきましょう。
【基本のショット】
バドミントンには、よく使う基本のショットがあります。
ほとんどのクラブでは、練習の最初に、ウォーミングアップも兼ねて、「基礎打ち」と呼ばれる、基本のショットを打ち合う練習をします。
基本のショットには、ドライブ、プッシュ、ドロップ、クリア、スマッシュ、ヘアピンの6つがあります。
ドライブ、クリア、ヘアピンは、2人が向き合って同時に打ち合いますが、プッシュ、ドロップ、スマッシュは、攻撃する側とレシーブする側を決めて打ち合い、交代しながら両方の役割を練習します。
したがって、基礎打ちでは、基本のショット6つに加え、必然的にレシーブの練習もすることになります。
バドミントンには、状況に応じて、ある程度、打つべきショットのセオリーがあります。
6つのショットのどれか一つでも欠けると、得点するのも、ラリーを続けるのも難しくなりますので、打てるようになるまでは、どれも偏りなく練習するようにして下さい。
基礎打ちの詳しい解説は、こちらの記事をご覧下さい。
ビギナー必見!「基礎打ち」解説
【配球について】
多くの方は、コンスタントに数か月も練習すれば、基本のショットを一通り打てるようになり、普通にダブルスのゲーム練習ができるようになります。
ゲーム練習をすればするほど、ショットやフットワークの技術は向上しますが、それだけでは、ある程度のところで上達が頭打ちになります。
さらに上のレベルへ行くには、配球技術の習得が不可欠です。
ショットやフットワークの技術とは違い、配球は自力で身に付けるのが難しい技術です。
多くの方は、相手を前後左右に振ろうとしたり、相手のバック側へ球を集めようとしたり、クロス方向へのショットを多用したりしますが、たまたま上手くいく時もあれば、まったく上手くいかない時もあります。
そうなるのは、それが配球の本質ではないからです。
配球には理屈があり、コツがあります。
一人で試行錯誤しても、そう簡単には上手くならないのが普通です。
上手い人のプレイを見ても、いつも同じ配球をしないので、どこをどう真似すればよいのかわかりません。
配球は、理屈をわかっている人から学ぶのが上達の近道です。
バド福では、
「初級者の方でもできることだけを使って試合に勝つ」
をコンセプトに開発した、画期的な配球教材をご用意しております。
配球の理屈を詳しく解説していますので、納得感も高く、ご自身での応用も利きます。
25年以上にわたる初中級ダブルス研究から導き出した、シンプルなのに効果抜群の配球理論&戦術をぜひお試し下さい。
目次へ戻る
まとめ
いかがでしたでしょうか?
様々な疑問や不安が解消され、バドミントンを始めてみたい、ずっと続けていきたい、と思っていただけたなら幸いです。
バドミントンは、きっと、あなたの人生を好転させてくれます。
思い立ったが吉日。楽しいバドミントンライフの扉を開きましょう!
バド福では、バドミントンが大好きな方を、全力でサポートさせていただきます!
疑問やお悩み、教えてほしいことなどございましたら、お問い合わせページより、お気軽におたずね下さい。
バド福へのお便り、ご意見、ご要望もお待ちしております!
このコラムの筆者:川崎智(バド福代表)
バドミントンコラムTOPページへ戻る